はじめに
高タンパク質摂取による人体への影響に関しては、様々な研究がなされてきました。
中でも腎臓に与える影響は有名ですが、カルシウムを減らし、骨粗鬆症を引き起こすという人もいます。
しかし、タンパク質が人にとって大変重要な栄養素であることはタンパク質の理想的な摂取量で説明した通りです。
この記事では、タンパク質を安心して摂取していただけるよう、様々な主張を裏付ける証拠について調査いたしました。
高タンパク質は骨粗鬆症を引き起こさない
高タンパク質の食事は、体内の酸負荷を高め、それを抑えるために骨のカルシウムが使われるという説1です。
これは2017年のメタアナリシス2により否定されています(長期に渡って質の高い研究が必要であり、短期的な研究の結果は不均一であるとされています)。
それどころか高タンパク質の摂取は骨に良い影響を与えるとまで言われています。
高タンパク質だからと言って腎臓にダメージを与えるわけではない
高タンパク質の摂取により、腎機能にダメージを与えるのは、健康な腎臓を持つ人には当てはまらないという研究結果があります3。
高血圧だったり糖尿病を患っている人に関しては、腎不全になっていまう場合もあるので、医師に相談の上でプロテインを飲むことをオススメします。
また、腎臓へのダメージはタンパク質の食物源によって異なるという最新の研究結果があります。
その研究によると、赤身肉からタンパク質を摂取した場合に腎臓へのダメージがあるということが示唆されています。456
一方で、白身の肉や乳製品のタンパク質にはそのような影響はなく、果物や野菜のタンパク質は腎臓を保護する可能性も報告されています。
赤身肉・魚・卵・大豆による腎疾患リスクの比較
結論
プロテインは牛乳や植物由来なものが多いので、最新の研究結果では腎臓へのダメージは心配ないと思われます。
しかし、腎臓に持病を抱えていたり、腎臓の機能が低下している人は、医師に相談してからプロテインを飲むようにした方がよいでしょう。
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ITエンジニア筋トレ部部長(@physique_engine)
Excess Dietary Protein Can Adversely Affect Bone ↩︎
Dietary Protein and Bone Health: A Systematic Review and Meta-Analysis From the National Osteoporosis Foundation ↩︎
A High Protein Diet Has No Harmful Effects: A One-Year Crossover Study in Resistance-Trained Males ↩︎
Red Meat Intake and Risk of ESRD ↩︎
Dietary Protein Sources and Risk for Incident Chronic Kidney Disease: Results From the Atherosclerosis Risk in Communities (ARIC) Study ↩︎
Long-Term Effects of High-Protein Diets on Renal Function ↩︎